Trappa
美しいフォルム
思わず見入ってしまうその美しいフォルムには仕掛けがあります。シンプルな階段でも両側のささら桁(側板部分)が直線ではなく曲線になっています。
右側と左側とで異なり、一方は山カーブ、もう一方は谷カーブです。手すりはささら桁に合わせた曲線で全体として優雅なフォルムを醸し出します。


デザインと安全性
階段で最も危険なのは、上り下りのリズムが変わることです。スウェーデンの階段は、踏板中央部(動線部)の奥行きと高さの寸法を同じにし、上り下りのリズムを一定で保つように作られています。
その結果、踏板の形状は均一ではなく、デザインの独創性にもなっています。




X, Z:階段の奥行
Y:階段の長さ
L1, L3:階段スペースの奥行
L2:階段スペースの長さ
B:階段の幅
H:階高
h:天井高
T:上階床厚
F:歩行有効高
一つひとつがオリジナル
スウェーデンの階段は、形状、スタイル、樹種と塗装仕上げ、各パーツのデザインと要望に応じて作っていきますので、一つひとつの階段がその家だけのオリジナルとなります。
例えば、1800年代の住宅リフォームで、十分なスペースがなくても、オールドファッション・スタイルの新しい階段まで実現できます。


階段の形状
階段の基本形状は、大きく分けて3つあります。直線のI型、曲がって上がるL型、Uターンしながら上がるU型です。これら基本形を元に、階段スペースのサイズや階高に合わせて、ミリ単位で形状を指定できます。
この他、螺旋状のスパイラル階段もあります。


階段のスタイル
階段のスタイルも、大きく分けて3つあります。踏板をささら桁に入れ込んだ伝統的なスタイル。踏板をささら桁の上に載せたモダンなスタイル。
そして、手すりが構造体として踏板をロッド(鉄製の棒)で吊ったスタイルです。踏板が宙に浮いているようなエレガントな構造美です。


樹種と仕上げ
階段の材質に使われる樹種は、パインやオーク材が一般的ですが、アッシュやウォールナット、白樺、マホガニーなども可能です。その樹種の質感を出したい場合は、オイル仕上げがお勧めです。
パイン製階段でも、部位毎に塗装や色指定が可能なので、個性的なデザインに仕上げる事ができます。


階段のパーツ
親柱や手すり、手すり子といった階段パーツは豊富なラインナップから選んで組み合わせていきます。クラシックからモダンなデザインのディテールを取り揃えています。
木製だけでなく、ステンレス製の手すり子やガラス製のバリア等、インテリアに合わせコーディネートするためです。


コンパクト階段
ロフトや小屋裏部屋の多いスウェーデンでは、狭いスペースで上り切るコンパクトな階段もあります。
踏み足の左右を限定した踏板や省スペースでもU型で上り切れるユニークな階段です。スキップフロアなど段数の少ない階段も可能です。


専用工場ですべて作製
曲線状の部材やたくさんの異なる形状の踏板・・・そんな複雑な階段も、現場ではパーツを組み上げるだけで完成させます。
スウェーデンで階段の設計士が平面図とパースを描き、細部をリスト化します。そのデータが専用工場で共有され、全ての部材が設計図通りに作製されるから成せる技です。

