Tak & Avvattning
軽く丈夫なルーフィング
鉄鉱石の産地でもあるスウェーデンでは、古くから鉄製品が多く、それに伴って自動車塗装など、鉄が錆びないよう保護するコーティング技術が発達してきました。瓦形状のガルバリウム鋼板は、スウェーデンが誇る伝統的なルーフィングの一つです。
極寒地でも凍結で素材が破損する恐れがないため、寒冷地においても瓦形状のルーフィング・デザインを採用できます。
鋼板で立体の瓦形状を形成しているので、一般的な瓦素材に対し、非常に軽く丈夫なルーフィングです。屋根が「軽い」事は、地震などの水平力に対しても有利な構造となります。
専用のスクリューで屋根(瓦桟)に固定します。固定本数を増やせば、台風など暴風に対応可能です。
0.5mm厚の鋼板製
瓦形状の見た目の高さは、約4cmから6cmと厚みを感じるものの、ルーフィング自体の厚みはたったの「0.5mm」。瓦の形状もプレスではなく折り曲げて形成されます。鋼材の厚さを一定に保つことで耐久性が増すからです。
ルーフィングは約1m幅のシート状です。専用の防水スクリューで屋根に固定するので、暴風暴雨に強いルーフィングです。



多層コーティング
素材の鋼鉄を、多層コーティングする特殊な技術によって、汚染物質の多い工業地帯でも使える耐久性まで可能です。本国におけるルーフィングの保証は30年から50年。耐用年数はもっと長いわけです。


軽い屋根は地震に強い
ルーフィング自体の重量は、たったの「5kg/m2」程度と非常に軽いので地震に対しとても有利です。屋根が重いほど地震時の加速力が住宅構造へ負担をかけてしまうからです。
軽量で瓦形状のデザインは、日本で理想的な次世代型のルーフィングです。


専用固定スクリュー
専用固定スクリューは、4.8mm厚・35mm長で防水パッキン付です。屋根の瓦桟へ取り付けます。
固定本数を増やす事で、ルーフィングと屋根を一体化させ、台風などの暴風に対応させます。


Royal
「ロイヤル」:スウェーデン伝統を受け継ぐ形状
鋼板厚: 0.55mm
形状厚: 56mm
重量: 4.9 kg/m2
最小屋根勾配: 14度





Regent
「レゲント」:モダンな印象を与える形状
鋼板厚: 0.5mm
形状厚: 39mm
重量: 4.7 kg/m2
最小屋根勾配: 14度





Regal
「リーガル」:重厚な印象を与える形状
鋼板厚: 0.5mm
形状厚: 52mm
重量: 5.2 kg/m2
最小屋根勾配: 14度





屋根の色




水切り材
ルーフィングには施工に必要な水切り材一式が同じ塗装色で付属します。同じくガルバリウム鋼板製、屋根棟瓦形状の水切り材、けらば・軒先用、谷用・壁用水切り材などです。
薪ストーブ用の四角型煙突、換気システムの排気用やキッチンのレンジフード排気用煙突、雪止め金具なども付属可能です。


必要な鋼板すべて
スウェーデンの住宅では、屋根ルーフィングに使われる水切り材の他、様々な箇所でガルバリウム鋼板が使われています。木製の窓やドア上下部用、外壁(外壁ブロック)水平接続部用の水切り材です。
ルーフィングと一緒に必ず使われるのが「雨樋」で、機能性や耐久性だけではなく、外観デザインの重要なアイテムの一つでもあります。

スウェーデンの雨樋
雨樋も屋根ルーフィングと同じガルバリウム鋼板製です。かなり丈夫な構造で大人がぶら下がれる程の強度です。樋の径が大きく、横樋の直径が125mm、縦樋が90mmもあります。
屋根に落ちた枯葉も、横樋に溜まり難い仕組みで、すべてを縦樋に流してしまう考えです。


雨樋コーティング
屋根ルーフィングと同様に、素材の鋼鉄を多層コーティングした丈夫で耐久性あるガルバリウム鋼板製の雨樋です。
横樋・縦樋共に、屋根・外壁への専用取付金具の数を増やす事で、雨樋システムの強度をさらに高めることもできます。


デザインの一部
雨樋は、屋根の雨水をそのまま地面に落とさずに、全てを上手に収集し、所定場所へ流す機能的なものですが、スウェーデンでは、雨樋も建築デザインの重要な要素です。
窓の額縁やルーフィング色に合わせるだけでなく、外壁面とは対照的な色の雨樋を使ったりと、雨樋をあえて主張したデザインも多いのです。


雨水の収集
縦樋の最後(下部)は放水管として、樽やジョウロに雨水を溜めて、花壇や家庭菜園用に利用するのがスウェーデンでは一般的です。
日本のように排水口へ流してしまう場合は、縦樋の途中に「雨水分岐管」を使えば、必要な時だけ雨水を収集する事ができます。


雨水分岐管&落葉回収
縦樋に取り付けた雨水分岐管を閉じた状態(左)と開いた状態(右)。閉じた状態では、雨水は排水口へと流します。開いた状態では、雨水を分岐させ、収集できます。
縦樋の下部に、ブーツ形状の落葉回収管を使えば、ここで簡単に、屋根から流れてきた落ち葉を回収・掃除できる仕組みです。


雨樋の色


A:アルミ製雨樋の場合
(標準6色)
Nyhet!:新色
(艶なしブラック)

雨樋のシステム
どんな建物にも対応するため、雨樋はいろんな部材を組み合わせ構築するシステムで、基本的にワンタッチ固定できる仕組みです。
横樋は、エンドと接続金具で構成し、出隅・入隅を使って屋根からの雨水を全て受け止めます。屋根の谷など、多量の雨水が来る所にはオーバーフロー止めを横樋に設置します。横樋用の留め金具は、屋根形状に合わせ種類を選べます。
横樋から縦樋へは、集水器と斜樋管を使って流します。縦樋用の留め金具は、木製外壁用とコンクリート用があります。
縦樋の最後(下部)は放水管か排水接続管として、途中に分岐管や雨水分岐管を必要に応じ接続します。落葉取除管は、全ての縦樋下部に取り付け屋根から流れてくる落ち葉を回収・掃除します。
