Listverk
建材同士をつなぐリスト
巾木・額縁(ケーシング)・廻縁は、同じ住空間で使う異なる建材同士を上手につなぐ役割をもっています。それぞれリストによって空間が一体化され、建材の質感が一層際立ってきます。
左より、巾木・額縁(ケーシング)・廻縁。すべて木目の見えるホワイトステイン塗装仕上げ。

巾木:14x65mm
フローリングと壁の接合部を覆います。
額縁:16x61mm(ケーシング)
窓やテラスドア、室内ドアと壁の接合部を覆います。
廻縁:16x65mm
天井と壁の接合部を覆います。
それぞれ建材色に合わせ、造作材の塗装を決めます。ここではホワイトステイン仕上げを採用しています。

額縁(ケーシング)
窓やドア等と壁材とをつなぐものです。絵画や写真が額に入ると趣が増すように、窓やドア等の存在が明確に主張されます。
スウェーデンの建具は、調整可能な枠を使用しているため、窓やドア周りに10mm程のクリアランスが必要です。額縁はそれを覆う役割があります。


巾木
フローリングと壁材をつなぐために使われるリストです。このリストが部屋の下端に廻っていることで空間に安定感が出ます。
無垢材フローリングでは床面の膨張収縮に対し10mm程のクリアランスが必要です。巾木はそれを覆う役割があります。


廻縁
巾木に対して、天井と壁材とをつなぐものが廻縁で、部屋の上端に廻っています。廻縁がしっかりとしていることで、落ち着いた空間になります。
天井材がパインなど無垢材の場合は、天井周囲に6mm程のクリアランスが必要で、廻縁はこれを覆う役割があります。壁紙の切端なども覆って納めるのが本来の方法です。


造作材の納まり
造作材は化粧釘で壁側に止めます。床材・窓やドア枠材・天井材が自由に動けるように覆います。それぞれ将来の交換を想定した納め方です。


特殊な造作材
3層ガラスの円形木製窓には、専用の円形額縁(ケーシング)が木製で準備されています。壁厚に対応できる円形側板もあるので綺麗に納められます。


窓台(窓テーブル)
スウェーデン住宅の外壁は、断熱材が充填されてる分、壁厚が30cm以上にもなります。窓周りには10cm~20cm程の奥行きができるので、窓台を設置しています。額縁(ケーシング)は、窓台へ直付できます。
窓台と額縁の塗装を変えてみたり、窓周りの印象を大きく左右するアイテムです。


窓周りの演出
窓台に小物や雑貨、植物をコーディネートし、照明でライトアップします。窓台は、窓周り演出に欠かせない造作材でもあります。
窓の開閉がドレーキップ(内開き&内倒し)であれば、換気時は内倒し、掃除の時だけ内開き・・・と窓台に物を置いても大丈夫です。


個性的な窓台


天井パネル
平らで単調な天井も、パネルを使う事で空間の印象は大きく変わります。スウェーデンの伝統形状といえば、「Pärlspont」(ペールスポント)です。「Pärl」とは真珠の意味で、継ぎ目が真珠のような突起のあるデザインで上品な陰影が出現します。
パインは木目と節が特徴なのですが、木目の見える薄いホワイト塗装や塗り潰しホワイトのパネルは、モダンなインテリアで多用されています。


壁&腰パネル
パネルの使い方は自由で天井に使えば天井パネル、壁一面に使えば、壁パネルと呼ばれます。パネルを壁の下部のみに使うこともあります。腰の辺りまでパネルを使うことから、腰パネルと呼ばれます。
パイン無垢材をそのまま壁に使えばログ風に。塗装の色によっては独創的な壁面が表現できます。


パネルの使い方
部屋の壁を一面だけ壁パネルとして、独創的な色で仕上げます。このエンジはスウェーデン北部ラップランド特有「Brudkulla」という色です。室内ドア円形ガラスの縁も同じ色で合わせています。
パネルというとカントリーや洋風といったイメージですが、ブラウン塗装のパネルを和風モダンな家の広い軒天に使う事もあります。


パネルの形状
パネルの形状は、長手方向接合部の継ぎ目の形状が違います。この形状によって継ぎ目を目立たなくしたり、V字型や半円型となったりパネル全体の印象や陰影の出方が変わります。






パネルの表情
パネル表面は、鉋(かんな)掛けされた平坦が一般的ですが、鋸(のこぎり)で削ったようなラフ仕上げ、フローリングと同様に「アンティーク仕上げ」があります。
表面に凹凸があることで、塗装をすると、パイン材特有の木目や節が浮かび上がって、個性的な表情が出てきます。


ラップランド・カラー




ラップランド・カラーは、スウェーデン北部に位置するラップランド地方の広大な大自然からインスピレーションを得た色で、北部産のパイン材との相性も抜群です。

