断熱材

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Isolering

充填される断熱材

 
スウェーデンで認められた品質

 
世界で最も住宅の断熱性能が高いとされるスウェーデンで、主に使われている断熱材は、ロックウールです。ロックウールとは、岩石などを高温で融解し、繊維状にしたものです。

このロックウールは自立するほど分厚くて、5mm程大きめのサイズを、外壁ブロックを構成する枠組みの中に手作業で入れ込んでいくため、隙間なく充填でき、断熱材の沈下も起こりません。外壁ブロックが水平の状態で、下側に何も支えがない状態でも、充填した断熱材がズレ落ちません。
 
断熱性はもちろん、高い耐久性や耐火性、防音性が住宅先進国スウェーデンで認められた断熱材です。

分厚い断熱材を外壁ブロックへ充填
分厚い断熱材を外壁ブロックへ充填

KarlsonHus

横にしてもズレ落ちない
分厚い板状の断熱材
高性能断熱材のロックウール

1000℃の耐熱性


スウェーデンの無暖房住宅やパッシブハウスにも採用されている信頼性のある「ロックウール」
 
1000度でも融けないロックウール
Ref. Paroc Stenull, Sweden

 
Temperatur:温度(℃) Tid:時間(分)
Stenull:ロックウール
Glas:グラスウール
Träbaserade material:木製建材
Plastmaterial:樹脂製建材

 
火に強い岩石繊維のロックウール
 
ガラス繊維の断熱材であるグラスウールが、約700℃で融解してしまうのに対し、岩石繊維のロックウールは1000℃でも融解せずに性能を保持できる不燃材です。
 
透湿性に優れ湿気を外へ逃す
 
透湿性に優れるため、断熱材が湿気を吸収・吸着しません。外壁外側防水透湿シートから湿気が外へ抜け構造体内部を「ドライ」状態に保ち、腐食から守ります。

断熱の方法と性能


スウェーデンの超省エネ住宅は外壁厚が30cmから40cm。ロックウールの厚みや断熱層を組み合わせ断熱性能を決めます。

外壁

 

スウェーデンで住宅の断熱性能を比較する時に用いるのが、外壁の断熱材の厚さです。
 
主体構造に断熱材を充填(d1)だけではなく、室内側(d3)と外側(d2)にも、断熱材を充填しています。これらの組み合わせで断熱性能が決まるので、合計40cm以上の厚みも可能となるのです。
 
特に室内側(d3)は、気密層の内側で、配管・配線スペースも兼ねているので、外壁の断熱層は、少なくとも「2層」必要です。
 

日本の次世代省エネ基準:
ロックウール90mm/関東, 135mm/北海道

三層構造の外壁断面

 
 

1. 室内壁
2. 室内側桟
 
3. ロックウール(内側)
4. 気密シート
5. たて枠
6. ロックウール(主体構造)
7. 外側桟
8. ロックウール(外側)
9. 防水透湿シート
 
10. 外装桟
11. 外装材
 

Ref. Paroc Stenull, Sweden

d1=120mm 

厚さ(d2+d3)mm

熱貫流率(w/m2k)

0+0 mm

0.369

0+45 mm

0.260

70+45 mm

0.189

95+70 mm

0.158

d1=195mm 

厚さ(d2+d3)mm

熱貫流率(w/m2k)

0+0 mm

0.246

0+45 mm

0.188

70+45 mm

0.148

95+70 mm

0.128

d1=240mm 

厚さ(d2+d3)mm

熱貫流率(w/m2k)

0+0 mm

0.274

0+45 mm

0.161

70+45 mm

0.131

95+70 mm

0.115

屋根

 

屋根天井の断熱材を、外壁より厚くするのは、冬の保温効果よりも夏の暑さ対策です。夏場の小屋裏は60℃以上にも達します。1階に比べて2階の冷房が効き難いのは主に屋根天井の断熱不足です。スウェーデンのパッシブハウスでは、屋根天井の断熱材の厚さが550mmにもなります。
 

厚さ

熱貫流率(w/m2k)

d=300mm

0.137

d=400mm

0.103

d=500mm

0.083

d=600mm

0.069

 
日本の次世代省エネ基準:
ロックウール160mm/関東

屋根天井の断熱材厚は40cm以上

Ref. Paroc Stenull, Sweden

 
1. 断熱材抑え 2. ロックウール(綿状) 3. ロックウール(板状)
4. 気密シート 5. 天井桟 6. 天井板

 

屋根や外壁に比べ床下は温度が安定しています。 断熱材は床根太間に充填します。床の断熱は、 主に冬場の保温が目的となります。厚さを220mm以上とする場合は、床根太を2重構造とします。床根太の下に設置する防湿板は、断熱材を支持する役割もあります。
 

厚さ

熱貫流率(w/m2k)

d=195mm

0.206

d=220mm

0.188

d=245mm

0.173

d=295mm

0.153

 
日本の次世代省エネ基準:
ロックウール90mm/関東

床根太間に断熱材を充填

Ref. Paroc Stenull, Sweden

 
1. フローリング(気密シート) 2. 床構造用合板
3. 床根太 4. ロックウール(板状) 5. 防湿板
6. 基礎断熱 7. 防湿シート 8. ベタ基礎

屋根(勾配)

 

勾配天井の場合は、屋根トラス(垂木)間に綿状(板状)のロックウールを充填します。野地板と断熱材の間には、抑板を使って通気層を確保し、軒先から棟へと自然換気させます。室内側は、気密シートを張ってから、外壁と同じように枠組み作って断熱材を充填し、電気配線スペースにもなります。
 

厚さ

熱貫流率(w/m2k)

d=200mm

0.214

d=300mm

0.148

d=400mm

0.110

d=500mm

0.089

屋根垂木間に断熱材を充填

Ref. Paroc Stenull, Sweden

 
1. 天井板 2. ロックウール(板状) 3. 気密シート
4. ロックウール(綿状) 5. 通気層(断熱抑板) 6. 野地板

外壁(RC造)

 

外壁がRC造となる場合は、必ず「外断熱」とします。コンクリートは、熱と湿気を通す材質なので「外断熱」とする事で、室内側の結露や外側の劣化を防止できるからです。専用金具によって板状断熱材と格子網を固定します。後は、外装用の塗り壁処理を行うだけです。
 

厚さ

熱貫流率(w/m2k)

d=100mm

0.337

d=120mm

0.285

d=150mm

0.232

d=180mm

0.195

RC造外壁用の外断熱

Ref. Paroc Stenull, Sweden

 
1. RC造外壁 2. ロックウール(板状) 3. 断熱材固定金具
4. 格子網 5. 網固定金具 6. 外装塗壁