Transport
住宅をコンテナ積載し輸送
スウェーデンは、自国の住宅を国内のみならず、国外へも輸出する住宅輸出国でもあります。その高い品質と性能が、ヨーロッパを中心として高く評価されているからです。一方で、100年以上の耐用年数を誇る住宅は、一度建てると滅多に壊されないため、国内での需要に限界があるのも事実です。
住宅を現場で作るのではなく、いわゆる工場で作ってしまう「外壁ブロック」は、住宅を合理的に作り上げるだけでなく、国外市場への展開も視野に入れ確立された手法なのかもしれません。
ほぼ完成状態の住宅を分割してトラックへ積載し、国境を跨ぐ橋やフェリーを使えば、他国の現場へも国内同様に、住宅一式を届けられるのです。
KarlsonHus
日本へ輸送する場合は、トラックの代わりに、海上コンテナへ積載します。コンテナを貨物船を使って輸出すれば、8,000km以上も離れた極東の日本へ、住宅一式を輸送する事も、スウェーデンにとって、それほど難しい事ではないのです。
日本に到着したコンテナは、通関手続完了後、直接現場へと輸送されます。主要港で荷物を取り出し、現場搬入可能なトラックでの配送も可能です。
輸送に有効な外壁ブロック
外壁ブロックは、輸送手段に応じて部材毎にまとめられる。クレーン用の吊りベルトやフォークリフト用の土台を準備。
屋根用の構造トラスを重ねまとめて梱包した状態。材の厚みは45mmなので、合わせるとコンパクトになる。
コンテナ積載用に外壁ブロック同士をまとめた状態。外壁ブロックの長さは、約4〜6m。重量は、100kg/mが目安。
床根太は、すべてプレカットで加工済。部材番号が記載される。長尺物同士は一緒にまとめられる。
外壁ブロックをコンテナの上部から積載。通常はコンテナ背面から積載する。オープントップコンテナの場合は、上からの積載が可能。
コンテナを工場からスウェーデンの輸出港へ運ぶトラック。コンテナの積み降ろし装置の付いたSIMA(シーマ)タイプ。
スウェーデンを出航したコンテナは、40日〜50日かけて日本の主要港へ到着。コンテナを貨物船から降ろす。
コンテナは、保税地域のコンテナヤードで保管される。輸入通関等の手続きが完了後、コンテナを現場へ輸送できる。
輸入港のターミナルでは、建材をコンテナから取り出す事も可能。室内ドアや階段、床材、造作材等は、別のコンテナに積載しておく。
内装建材など仕上げ材関係は、ユニック車等で現場へ配送。外壁ブロックなど構造躯体とは別に、現場納品も可能。
外壁ブロックを載せたコンテナが現場に到着。クレーン車で、オープントップコンテナの場合は、上から外壁ブロックを吊り上げる。
通常のコンテナの場合は、背面から積載物を引き出す。ショートパネルの外壁ブロックを横積みで輸送した事例。
通常のコンテナで、外壁ブロックを縦積み輸送した事例。現場で、荷物を背面から引き出し、クレーンで吊り上げる。
輸送用に一体化された外壁ブロックと切妻ブロックをコンテナから取り出す。外壁ブロック内側の水色シートは、輸送用の保護シート。