Teknologi
住宅先進国の建築技術
住宅先進国スウェーデンで住宅の建築に携わると、日本も学ぶべき建築技術があります。木造建築でありながら、100年以上の耐久性を誇り、高い資産価値を生み出す背景には、明確な住宅哲学とそれに基づく建築技術が高い次元で確立されています。
長く使い続けるための構造構成、材を腐食させない断熱・気密処理、躯体や建材をも保持する住環境、超断熱や持続可能な住宅を構築し、そしてこれらを国外や海外へ「輸出する」技術などです。
住宅の外壁ブロックを専用工場で作製し、工場から住宅を「パッケージ」として輸送、現場で組み立てる手法は、建築工程において、無駄な材料や時間、天候の影響、労働環境や技術後継といった課題までの解決が想定されています。
Fabriken hos KarlsonHus
2重構造の外壁
スウェーデン住宅の外壁は、主体構造(45x195mm枠材など)の室内側に45〜70mm厚の内壁を持つ2重構造で構成されます。気密シートはこの間に張ります。内壁は配線・配管スペースで、気密層を傷つける事なく設置や交換が可能な仕組みです。
内壁にも断熱材を充填するので二度手間です。しかし、2重構造でないと、配線・配管工事で気密シートを破って(穴開貫通)、後から気密シールで補修する必要があります。これでは一時的な気密処理となり長期的に気密性能を保持する事は不可能です。
高断熱・高気密住宅では主に冬場、室内の暖かく湿った空気が、僅かな隙間からも壁内に流入します。外気温が低いと、壁内結露が発生して、それを繰り返す事で、構造体が腐食・・・といった危険なメカニズムです。
外壁の通しまぐさ
スウェーデン住宅の外壁(枠組壁工法)では、窓やドアの開口部だけでなく、外壁の外周全てを通して「まぐさ」を入れられます(通しまぐさ)。
通常「まぐさ」は、開口上部だけに入れて、上階や屋根からの荷重を支持して両側の縦枠材へ流す役割ですが、開口のない部分(壁面上部)にも予め入れておきます。
こうする事で、将来、窓の大きさや位置変更したい場合でも、対応可能な構造となるのです。