窓&外装ドア

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窓&外装ドアの取付

 
窓と外装ドアを外壁ブロックに組み込む

 
スウェーデンの窓や外装ドアは木製です。窓やドアのメーカーも、最高の建具を作製していますが、それらをどのように住宅の外壁に取り付けるか?・・・という事が、とても重要です。
 
木製窓や木製ドアは重量級ですが、工場であれば、クレーンなど専用設備を使って予め外壁ブロックに組み込めます。その後それぞれの処理を行いながら、外壁ブロックを順に仕上げていく手法は、非常に合理的で、確実な方法です。
 
スウェーデンの木製窓やドアは、何十年と使っていけるよう、枠材を調整できる専用の取付調整ボルト「Karmhylsa」が付いています。

窓が組み込まれた外壁ブロック
窓が組み込まれた外壁ブロック

KarlsonHus

「Karmhylsa」(カルムヒルサ)とは、窓やドアの枠が常に調整でき、室内側から簡単に交換まで可能な仕組みです。窓やドア枠は、外周に10mmほどのクリアランス(隙間)を確保し、宙に浮いたような形で外壁に取り付けられます。
 
この「隙間」には断熱と気密処理が必要で、当然、外側には、防水処理や通気処理も必要です。これがスウェーデン本国で行われている取付方法です。

窓に外壁のたて枠を取り付ける
窓下の水切り材の取付

取付調整ボルト


取付調整ボルト「Karmhylsa」は、窓やドア枠の水平・鉛直性を調整できる金具で、木製建具を長く使っていくための重要な取付方法です。
窓枠を後から調整できる取付調整ボルト
 
取付調整ボルトを使って窓を固定
 
取付調整ボルトと固定スクリュー
 
窓枠にある取付調整ボルトを、窓枠内側から六角レンチで回すと枠外側のボルトの出の長さ変わる事で、窓枠が調整できる仕組み。通常の窓では取付調整ボルトが左右2個ずつ付いている。ボルトを回すには、固定スクリュー(Karmskruv)を緩め、調整後、スクリューを締める事で枠が完全固定される。
 

窓とドアの取付


外壁ブロック最大の特徴は、窓やドア等を工場で取り付けてしまう事。これが住宅先進国スウェーデンの核心技術です。
住宅製作工場へ搬入された窓と外装ドア
住宅に使われる窓や外装ドアは、現場ではなく工場へと運ばれて保管される。この他、外壁ブロックに必要な建材や材料も、工場の倉庫に集められる。
窓周囲に断熱・気密ゴムを挟んでたて枠を圧接
窓は、外壁の枠組に取り付けではなく、窓に、たて枠を取り付ける事が可能。現場とは逆の順序で、専用の断熱・気密ゴムを挟み、たて枠を窓枠に圧接。
外壁のたて枠が取り付いた窓
 窓に外壁のたて枠が取り付いた状態。これを外壁ブロックへ組み込んでいく。この窓は、3層ガラス木製窓のトップターン(回転窓)。
スウェーデン伝統フック型の外開き窓
 こちらの窓は、3層ガラス木製窓の外扉き。スウェーデン伝統フック型の留め金具が特徴的。レバーハンドルの前はこれが主流。
たて枠の付いた窓(窓ユニット)
 外壁ブロック枠組みを組んでいく。この後、手前にある、たて枠の付いた窓(窓ユニット)を外壁ブロックへとはめ込む。
 
窓ユニットを外壁の枠組みへ取り付け
たて枠が取り付いた「窓ユニット」を外壁の枠組みへ取り付ける。窓単体だと難しいが、「窓ユニット」であれば、移動や取付がしやすい。
窓を取り付けながら外壁を作製
窓ユニットが外壁ブロックへはめ込まれた状態。続けて、たて枠の取り付け。窓は外壁に後から付けるもの・・・これは日本の固定概念。
外壁ブロックの断熱・気密処理
窓ユニットを枠組みに納め、外壁ブロックの主体構造ができた状態。窓の周囲には気密シートがすでに張られ、細かな隙間にも断熱材が充填される。
窓枠を調整しながら固定
外開き窓など、窓扉を外して枠だけを取り付け調整を行う。たて枠と窓枠間のクリアランス(10mm程度)を確認し、スクリューで固定。
重量級のドアは枠を先に取り付け
 重量級のテラスドアも、扉を外して枠を取り付ける。枠周りの断熱・気密処理を行い、外側の側板やケーシング等の造作材まで取り付ける。
窓・ドア周りの断熱・気密ゴム
窓外周専用の分厚い断熱・気密ゴム。
化粧側板を留めるクリップ
黒い部材は、側板を留めるクリップ。
ドア枠を取付調整ボルトで固定
ドア枠を取付調整ボルトで固定。
断熱材が充填された外壁ブロック
続いて外壁ブロックに断熱材(ロックウール)が充填される。ギッシリと敷き詰められたロックウールは、ズレや沈下の心配がない。
ドア枠周囲にロックウールを充填

窓やドア枠の奥行きは、標準で105mm。隙間にもロックウールを詰め込む。テラスドアも扉が外され、外壁が水平になっているので作業がしやすい。

窓上用の水切り材
窓下の水切り材、窓上造作材用水切り材も一緒に取り付ける。工場の職人は、窓の取り付けも板金処理も行ってしまう。
外装材と造作材の取り付け
テラスドア外周に、側板を取り付け、ケーシングと上部造作材を取り付ける。外装材の取り付けも並行して行っていくので、納まりが良い。
造作材の取付はすべて手作業
 造作材の取付はすべて手作業。
水切り材を保護する角材
窓下の水切り材も取付完了。
窓の上下に輸送用保護材
窓の上下に輸送用保護材を取り付け。
 
室内側せっこうボード取付済の外壁ブロック
せっこうボードまで施工された室内側。工場でここまで仕上げる事も可能。「完成住宅の外壁を分割した状態」に近い、スウェーデンの外壁ブロック。
テラスドアが組み込まれた外壁ブロック
両開きのテラスドアが組み込まれた外壁ブロック。ドアの重量だけでも100kg以上あるが、クレーンで簡単に吊り上げられる。